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執筆者の写真Chiharu Hosoda / 細田 千陽

【Quantum Sky】挑戦者たちの素顔~住友商事編~


はじめまして!細田です。


量子コンピュータの社会実装分野をリードしてきた人が社内にいて、仲間を探しているという噂を聞き、いてもたってもいられなくなり、QXプロジェクトを4月からサポートさせてもらうことになりました。


最初に、私の自己紹介と意気込みを・・・

私は、住友商事に2011年入社しました。

夫が単身赴任中のためワンオペで子育てをしながら、営業部署との兼務このプロジェクトにJoinしています。文系出身で量子コンピュータについてはまったくの初心者ではありますが、”誰も知らないミライを創る可能性を秘めた”本プロジェクトに携わることができ、今ワクワクしています。そして、これから私だからできる貢献の仕方を見つけていきたいと思っています。



それでは本題に!

記念すべき私の最初の記事は、本年6月2日のプレスリリースから。

“空飛ぶクルマ”というSFみたいな話に、“量子コンピュータ”というこれまた未来の話を掛け合わせて、誰も知らないミライを創る…。そんな世界で初めての取り組みに挑むQuantum Skyプロジェクトメンバー達にインタビューをしました。まず第一弾は、住友商事。この壮大なプロジェクトのきっかけとなった同社4人のキーパーソンに、本技術実証を開始するに至った経緯を伺いました。


 

“発起人” 武田

 この世界初の取り組みの発起人はこの人、武田 光平。『ヒト/動物/自然にとって住み心地の良い地球にする』と真剣な眼差しで語る武田は、本業だけでなく部署横断のプロジェクトに参加したり、社外でNPO団体を応援したり、プロボノ活動を行ったりするなど、夢を叶えるべく昼夜を問わず活動していた。異動先で出会ったエアモビリティ事業とそれに携わる人のエネルギ―に触れ、心の奥からある想いが沸き上がったという。

この人たちと『エアモビリティを楽しめる世界を実現する』と。




住友商事のエアモビリティビジネス


ここで少しだけ、住友商事のエアモビリティビジネスについて触れておく。

 住友商事は常に新しい市場開拓・産業創造を狙って様々なチャレンジを行っており、その一つとしてエアモビリティ分野に取り組んでいる。202X年のエアモビリティ運航事業の開始を目標にプロジェクトを推し進めている。


2020年2月に住友商事は、JALと米国Bell Textron社とエアモビリティ分野における新規事業の創出、次世代インフラ事業の開発を目的として業務提携を締結した。更に2020年4月には、世界最先端の無人機管制システム開発企業One Sky社への出資を行った。





Air mobility meets Quantum.

 

 武田は奔走していた。202X年までにエアモビリティを活用したサービスを始めるという目標に向けて。課題の多さから見れば長くはない時間だ。世界を見れば、米国や中国を中心に様々なエアモビリティ関連のニュースが飛び交っている。確実に世の中はエアモビリティの社会実装に向けて進んでいる。

 

 そんなある日、武田にあるセミナーへの登壇依頼があった。若者たちに夢を語るセミナーだった。各々の分野で活躍する登壇者たちの熱いプレゼンが行われた。その会場で、すべてがはじまった。

 登壇者の1人であった寺部 雅能の量子コンピュータが創る未来のビジョンの話を聞いた時、武田は目から鱗が落ちた。この人ともっと話したい、そう思った矢先、なんと寺部から提案があった。「武田さんの話が面白かったので、日を改めて打合せしませんか」と。




ミライの創り方、社会の動かし方


約束通り、寺部からはすぐに連絡があり、打合せに至った。会社のオープンスペースで、自分の夢、希望、この会社に入った意味、少年時代の原体験みたいな話まで、次々と口をついた。

 寺部の話はとても刺激的だった。十分情報化され便利になった現代社会においても、まだまだコンピュータの性能が足りずに非効率が至る所で起きていること。その結果世の中は個別最適が進み、全体の最適が取れずに色々な歪みが起きていること。そしてそれはエアモビリティが普及し尽くしたミライの社会も例外ではないこと。

本社ビル24階から窓の外を眺めながら寺部が言った。「ここからの眺めに、何十万台ものエアモビリティが飛び交っている、武田さんが創りたいミライの姿ってそういうことだよね」。そして続けた「その未来って、多分今のデジタルのコンピュータじゃ演算能力が低すぎて、無理かもしれない。どうかな、一緒に量子コンピュータを使って、その未来を創らないか?」。武田はワクワクが止まらなかったという。


その後、2人はホワイトボードを挟んで時間を忘れて語り合った。出しては消え、また湧き出るアイデア。そして、今回のプロジェクトの種となる構想に行き着いた。



Quantum Sky Team結成

 武田はエアモビリティ事業を切り拓いてきた先輩の江部 元一朗、上田 亮輔にプロジェクトの構想と自らの想いをぶつけた。江部は幼少時に雑誌『ニュートン』を読んでから宇宙に憑りつかれ、齢30を迎える今も「宇宙飛行士になる」という野望を持ち続けている。上田は打ち込まれた球はそれがどんな球だったとしても必ず打ち返すことで絶大な信望を誇る体育会系野球部出身の剛腕営業マンだ。

前述のOne Skyへの投資を担ってきた彼らは躊躇なく即答した。


「いいね。やろう。」


そこからの江部、上田は速かった。夢に向かって走り回った。

社内確認・調整からOne Sky社との国境を超えた打ち合わせ、寺部が共同研究をする東北大学大関教授及びその弟子との打ち合わせを経て、たった4か月で共同実証の合意をまとめ上げた。


現在はOne Sky、東北大と共にQuantum Sky Teamを結成し、日夜熱い議論を交わしている。

「まだ“これから始まる”というリリースを打っただけという段階です。全てはこれからです。」と彼らは言う。この実証実験のフィールドを整え、役者を揃え、国境を超えた産学連携を調整した彼らの眼は輝いていた。


 

最後に

この実証実験、必ず成功すると私は確信しています。何故なら、彼らは成功するまで決して止まりません。挑戦し続ける者に失敗は存在しないからです。

そして私には、見えました。ビルの窓の向こうで、飛び交う空飛ぶクルマとそれに乗る人々の笑顔が。


次回は、本実証実験技術検証担当 東北大学へのインタビューです。

お楽しみに!


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